漢テレが情報処理技術遺産認定されました!

株式会社新興製作所は、3月9日(火)社団法人情報処理学会より2009年度『情報処理技術遺産』(Information Processing Technology Heritage)の認定を受けました。これは新興製作所が開発、製造した『SCK-201形漢字鍵盤さん孔機』が漢字テレプリンター【通称:漢テレ】の歴史を知る上で技術上貴重な史料となっていることが評価されたものです。これは東北では初めての認定であり、また2008年の機械遺産認定に続く快挙です。


     情報処理技術遺産・漢テレ【SCK-201形漢字鍵盤さん孔機】

1954年以前の日本の情報通信は、カナ文字を主体とした『カナ印刷電信』でした。ところが日本語には同音異義語が多いためカナから漢字に翻訳する時のミスも多いのが現実でした。この中で、当時伝書鳩による原稿送付も行われていた新聞業界からは、正確な通信のため『漢字カナ混じり印刷電信』への熱い期待が寄せられていました。

 新興製作所はこの漢字カナ混じり文を送受信できる印刷電信機として、1955年に『漢字テレプリンタ-』(漢字鍵盤さん孔機及び漢字印刷翻訳機)を朝日新聞社と共同開発しました。我が国初のこの漢テレは画期的な開発で報道機関の情報通信スピード向上と新聞紙面制作の機械化に大きく貢献しました。また、これにより送られた通信データを自動的に活字に組み上げることも可能になりました。そこで各社は競って漢テレを導入し新聞業界に広く普及しました。

今回、情報処理技術遺産として認定されたSCK-201形漢字鍵盤さん孔機は、1968年に製造された小型軽量の可搬型漢字テレプリンター(漢字入力装置)です。漢字入力方式は操作性の良い「多段シフト方式」で、キーボードは192個の文字群キーと12個の文字位置キーで構成され、2,304文字が収容され当用漢字は全部送受信できます。入力した漢字は6単位2列に符号化し、電文はさん孔テープ(現在の記憶装置、USBメモリー等に相当)を介して相手側に送信、受信側の漢字印刷翻訳機(プリンター)で正確な漢字カナ混じり文が印刷されます。

漢テレはその後、報道機関や官公庁、印刷業界、生命保険会社等で広く使用されるようなり、ワープロが登場するまでの約30年間にわたり我が国の日本語文化を通信機器の面から支えてきました。漢テレは現在の日本語ワープロの前身と言われております。

    情報処理技術遺産認定式(3月9日 於:東京大学 小柴ホール)

 

     情報処理学会『情報処理技術遺産コーナー』

     日本機械学会『機械遺産コーナー』